ファットアダプトとベースフード!ロカボとの違いは?

完全栄養食といわれ、一食で1日の3分の1の栄養素がとれるベースフード(※)ですが、アスリートにもオススメしたいということを今回は述べていきます。

ロカボとファットアダプトの違いとは?

みなさん、ロカボとか、ファットアダプトってご存知ですか?

●ロカボとは?

ロカボとは、一般人が行う、健康を促したり病気の治療のために行う糖質制限のことです。

糖質の量を一食20~40g、間食の場合は10g、1日における量を70~130gに抑えるもの。糖質の量さえ気を付けていれば食べる量や脂質、たんぱく質、カロリーなどに制限はないもの。

今までのカロリー制限は、全部減らしてカロリーを抑えるものでしたが、ロカボは工夫をして糖質を抑えましょうというものです。

ロカボで期待されるのは、体重のコントロール、血糖値の改善、高脂血症の改善、血圧の改善などです。

●ファットアダプトとは?

ファットアダプトとは「ファット=脂質」に「アダプテーション=順応させる」という意味です。

アスリートが対象で、血糖値が変わることによるプレーへの影響を防ぐための糖質制限食です。

一食あたりの糖質量はアスリートごとに食後血糖値を調べ、個々に設定されます。

脂質は持久力を要するアスリートに最も適したエネルギー源です。

体重を増やさないために糖質制限をするけれどもパフォーマンスの低下を防ぐために脂質を積極的に食事に取り入れてスタミナ不足や筋肉の不調を防ぐ食事です。

ロカボでは糖質を抑えることに重きをおきますが、ファットアダプトは糖質を抑えつつ、脂質をエネルギー源として使える体にしていくという点が異なりますね。




ベースフードとファットアダプトとアスリートの食事

アスリートには糖質を抑えるだけではなく、たんぱく質や脂質までもバランスよくとることがパフォーマンスの向上に大切であると分かりました。

ファットアダプトを実践したいと考えているアスリートにオススメしたいのが、ベースフードです。

ベースフードは、普通のロールパンに比べて糖質30%オフでありながら、筋肉のもとであるたんぱく質や、エネルギー源の脂質もバランスよく含まれています。

アスリートの敵は体の故障です。体が資本のアスリートは体に不調があるとパフォーマンスが低下してしまいます。

もしケガをしてしまったとき、どのように傷が治るのでしょう。傷ついた細胞膜の修復には脂質が必要ですし、そもそも細胞を構成する成分は水の次にたんぱく質が多いのです。さらに、糖質の取りすぎは高血糖を招き、傷が治りにくくなります。

このことから、ファットアダプトの食事はアスリートがケガから回復するのにもひと役買っています。

パフォーマンスの向上が欠かせないアスリートには食事を考える上で大切な考え方であり、ベースフードはファットアダプトに適している食品でしょう。

●少し前のアスリートの食事について

少し前まではグリコーゲン(いわゆる糖質)に重きをおいて、長い競技の間でもパフォーマンスが落ちないように筋肉にグリコーゲンが貯蔵できるような食事(カーボローディングといいます)を実施していました。

しかし、さまざまな研究の結果、グリコーゲンを貯めるように考えられた食事をした人と、ファットアダプト(糖質を控えた)の食事をした人では筋肉内のグリコーゲンの貯蓄量は変わらなかったと出たのです。

そして、グリコーゲンが主役の食事をすると血糖値の急な上昇と下降の繰り返しが起こります。これにより体調が優れないと感じたアスリートたちは持久力やパフォーマンスをあげるために徐々に糖質を制限する食事を選ぶようになっていったのです。

ファットアダプトが向いているのはどんな人?

アスリートの全てがファットアダプトに向いているわけではなく、カーボローディングでも大丈夫な人もいるそうです。

インスリンが過不足なく正常に出ていて、血糖値の上下が激しくない人はカーボローディングの食事でも問題ないんです。

食後の血糖値が上がり続けるとインスリンが出すぎて、インスリンの役割である脂質の貯蔵が進んでしまいます。これは体重が増えることにつながるのでアスリートは避けたいところでしょう。

どちらの食事法が向いているかは、血糖値をはかることで判断できます。

ちなみに、私は食後にインスリンが出すぎて食後に低血糖になる、反応性低血糖と診断されています。インスリンが正常量ではない状態ですから、カーボローディングよりファットアダプトが向いているのだとわかります。

みなさんも自分の血糖値を知って、どちらの食事法がいいかぜひ知ってくださいね!

そして、もし、ファットアダプトが適していると感じたら、そのときはベースフードをぜひ手にとってくださいね!

まとめ

●ロカボとファットアダプトの違いはロカボでは糖質を抑えることに重きをおくが、ファットアダプトは糖質を抑えつつ、脂質をエネルギー源として使える体にしていくことが異なる

●ファットアダプトの食事はアスリートがケガから回復するのにも適している

●インスリンが過不足なく正常に出ていて、血糖値の上下が激しくない人はカーボローディングの食事でも問題ない

●ファットアダプトにはベースフードが手軽で使いやすいのでオススメ

(※)この記事におけるベースフードやベースブレッドに関する栄養素についての内容は、栄養素等表示基準値に基づき、脂質・飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸・炭水化物・ナトリウム・熱量を除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む。ということです。