思春期早発症ってなに?!子どもの病気?

こどもは大人と違って、成長途上にありますよね。

ちゃんと成長しているか、病気はないか心配は尽きません。

今回は、職場で「思春期早発症」の話になったので詳しく調べてみました。

そもそも子どもの思春期とは?

子どもの成長過程であり、心身ともに変化があります。

男の子は男性らしく、女の子は女性らしい体形になり、声変わりや身長がすごく伸びる時期でもあります。

思春期の発現はきっかけが詳細に解明されているわけではありませんが、性ホルモンの上昇により性別による差がはっきり出てきます。

だいたい、女子では10歳頃、男子では12歳頃より思春期や性差がはっきりしてきます。

また、男子の場合、精巣の大きさで思春期の開始を判断します。精巣が3-4 ml以上になった時を思春期の開始として考えています。

思春期早発症とは?早くくるとダメなの?子どもが心配!

先述した思春期の時期よりも2~3年早く思春期を迎えてしまうことを思春期早発症といいます。

それだけ聞くと何がダメか分かりにくいのですが、以下のような問題点があります。

①思春期により一時的に身長が伸びるが、思春期の終了も早くなるため身長の伸びが止まってしまい、小柄なままになる。

②幼いうちに乳房・陰毛、月経などの身体的な変化が出現し、本人のみならず、周囲も戸惑ってしまうことで心理社会的問題が発生する可能性がある。

③思春期を早めてしまう病変がまれにあるため、それを確認する必要が出てくる。

問題にならなければ放っておけばよいのですが、子どもの成長のことですから、心配になりますよね。

思春期早発症の症状は?親はどうやって気づける?

男子の症状は、以下のようなものがあります。

  • 9歳までに睾丸(精巣)が発育する
  • 10歳までに陰毛が生える
  • 11歳までにワキ毛やひげが生えたり、声変わりが始まっている

女子の症状は、以下のようなものがあります。

  • 7歳半までに乳房が膨らみ始める
  • 8歳までに陰毛やワキ毛が生え始める
  • 10歳半までに生理が始まる

診断は上記の症状を含め、さまざまな所見や検査をふまえて行います。

先述したように平均と比べて、2-3年以上早い思春期の徴候(精巣発育、ひげや陰毛・腋毛の発生、声変わり、乳房発育、月経)が2つ以上存在することです。

また、早い段階での思春期徴候が1つの場合でも、年齢的にみておかしいと感じるようなくらい身長が伸びたり、明らかに骨の成熟が進んでいることも診断につながります。

骨の成熟を確認するためにレントゲン撮影を行います。

男児の場合には、特殊な体質をもつお子さん以外でこれらの症状を示すことは健康な子では極めて珍しく、上述した脳の司令塔である視床下部・下垂体の近くに腫瘍などがないかが心配されます。

腫瘍の確認には採血によるホルモン量の検査、腫瘍の特定のためのMRIやCT検査などが行われることがあります。

また、男子ではhCGというホルモンを作る腫瘍があって男性化が進むことがあります。

また、女子では乳房が膨らんだあとに生理がおこることが通常ですが、この順序が狂うような場合には、自律性機能性卵巣嚢腫といった特殊な原因により思春期早発症が起こることも知っておきましょう。

GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)や、LH(黄体化ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、男子ならテストステロン、女子ならエストロゲンの上昇などで診断されることもあります。

思春期早発症の治療は?子どもにはツラいの?

思春期早発症の治療目標は、思春期が進まないようにすること。

1. 小柄な体が完成しないように、身長が伸びる期間を長くします。大人になったときに極端に小柄にならないようにする目的です。

2. 本人や周囲に精神的な負担を与えないようにします。思春期を早くしてしまう腫瘍などがあった場合や、特殊なタイプの場合には、それに対する治療を優先します。

治療としては、ホルモンによる影響を抑えるために4週間に一回の注射を行うことがあります。

しかし、例えば7歳半未満の乳房発育を認めていたとしても、その後の二次性徴の進みが緩やかで、採血でLH、FSHなどのホルモンの上昇がはっきりしない場合にはおいては、治療が必要ない場合もあるのです。

教科書通りにはいかないのが子どもです。

しっかり医師の診断を確認して治療を行うことが大切です。

知り合いの子どもは、相談したときには時すでに遅し。手遅れです、との診断が下ったそうです。

何事も早めに気づけることができればいいですね!