看護師の6割が退職を考えたことがあると回答したニュースについて思うこと

2021年は看護師になって15年の年でした。

昨年は新型コロナウイルスの感染拡大によって職場も多くの変化がありました。

日本労働調査組合が2021年9月に看護師の退職動機に関する調査を行いました。全国の20~49歳の看護師536名を対象に「看護師の退職動機に関するアンケート」を実施しその結果がニュースでも報告されました。

実態は「最近退職を検討したことがあるか」という問いには約6割が退職を検討したことがあるという結果になりました。この中にはもちろんコロナによって辞めたいと思った人も含まれますが、そうではない人も含まれています。

実際のところ、私も退職を検討したことはあります。

なにがっていうと、看護師の仕事は命を扱うため責任が大きいこと、またその医療スキルだけではなく、患者さんへの対応の難しさなど精神的に大きくのしかかります。

また〈最近〉退職を考えた理由としては、コロナによって、職場から行動を厳しく管理されていたことも負担でした。

コロナ真っ只中で、私たち医療者は家庭内以外の他者との飲食が禁止されたり、出掛けるのも近畿から出てはいけないなど病院独自のルールに縛られました。

これはかなり負担で、医療者じゃなければ自由に出掛けられるのなら、いっそ辞めてしまおうか、なんて考えにも至りました。

それは自分が出掛けたい、ということではなく、そのルールを家族(特に子ども)にも強いなければならないということからです。

どこかに行きたいと言われても連れていってあげられない、してあげられない、こんなに頑張って私たちは行動制限しているのに、コロナにかかる患者さんは増えていく…

本当に辛かったです。医療者の子どもでなければいろんなところに連れていってあげられたのにね、なんて考えてしまうこともありました。

退職を考えた理由を考察してみる

さて、今回の調査での退職を考えた理由としては、第1位が「給与・待遇不満」で49.3%、 第2位が「精神的に辛い」で43.3%、 第3位が「職場の人間関係」で41.6%、 第4位が「ワークライフバランス」で36.9%の結果となりました。

どれもこれもよく分かります。

●給与が不満

給与について今になって思うのは〈忙しいほど高い〉ことが多いと言うことです。そうでない場合ももちろんありますが…

ですから、給与のいいところへ行きたいということは、忙しいところへ行く可能性が高いということです。その覚悟を持って転職を考えた方がいいと思います。

●職場の人間関係

これはもう看護師は切っても切れない問題ですね。

私は母も看護師なのですが、教わったことは「どっちの派閥にも属さない」ことでした。

今もその通りにしていますが、慣れるまでは結構キツいです。

お局さんは私の前では優しいけれど、他の人の前では悪く言ってるんじゃないかと不安になりました。

まぁ、そう言ってるんだろうな、と諦めて自分は自分の仕事をするようにしています。

新人の頃は指導者が厳しい人だと辛かったですね。苦手な指導者だったけど、勇気を出して話しかけに行ったら泣かされました。

泣かされた次の日に「泣いて後悔したと思ってたけど違うかったね」って言われて、恐怖を感じたこともありましたね。

最終的にこの指導者はパワハラがすごいことが発覚したのか、部署を転々とさせられて辞めていきましたけども。

看護師の世界とはそんなお局さまがウヨウヨしているので、その職場の人間関係が合わないと思ったら、転職して環境を変えるのも一つだと思います。

私の信念は「自分のことは自分で決める。誰かに言われたから辞める、ということはしない」ということです。どこかに自分に合った環境はあるので、探してみてください!

●ワークライフバランス

これはかなりの人がネックになっているのではないでしょうか。

病棟勤務は若いうちは夜勤のあとでも元気に買い物に出掛けたりできましたが、年齢を重ねるとそうもいかなくなります。

さらには結婚して家庭を持つと家族とのすれ違いも生じてきます。

また、医療職は情報の変化が激しく、勉強を必要とすることが多いため、会議があったりすると平日の休みでも出席を求められたり、勉強会への参加も求められたりとなかなかプライベートも忙しくなりがちです。

それによりワークライフバランスが崩れて医療職を離れてしまう人もいます。

医療職は医療職どうしで結婚しやすいのはそういった特殊な勤務体制をお互いが理解していることも大きいと考えられますね。

待遇もよく、ワークライフバランスを保てて人間関係も良好な職場を探すのは至難の技ですね…

感染症の拡大で看護師不足が叫ばれるなか、辞めていく人が少しでも少なくなればよいのですが、なかなかそうもいきませんね。

看護師のさまざまな精神的負担が軽減されることを期待して、私はまだしばらく看護師を続けてみようと思います。