便秘の改善方法?!日常生活の変更だけでは排便状況が改善しないって本当?便秘薬は必要なのか?!

便秘と聞いて私が一番に思い付くのは「定義では便秘であっても、便がでないことが不快でなければ`問題となる´便秘ではないのかもしれない」という教えです。

逆に便秘の定義を満たさなくても不快であり、日常生活に支障をきたすようなことがあれば便秘が問題となることもある、とも教えられました。

これを考えさせられた時は衝撃的でした。

た・し・か・に!!個人によって問題となるかどうかは違いますもんね。

そのことを教えられたのはもう15年以上も前なので今は変わっているのかもしれませんが…当時は自分の価値観が覆されるほどの衝撃でした。

私も実は2・3日に一回しか出ないんですけど、別にその体で生きてきたからあんまり不快でもないんですよね。

そんな便秘についてですが、仕事上で困っておられるかたがいたので、自分でもアドバイスができないかと思い、いろいろ調べてみました!

そもそも便秘とは?定義や分類について

便秘については慢性便秘診療ガイドラインというものがあるんです。

そこでは便秘の定義を以下のように定めています。

「便秘とは本来は体の外に出すべき便を十分な量を快適に排出できない状態」

そして、便秘の状態というのは、排便回数、量が少ないことで大腸に便がたまった状態や、その便を快適に出せない状態のことです。

初めに私が述べたように便が思うように出せない状態に関して「不快」ならばそれは便秘だよ、ということですよね。

昔から言われていた「何日間出ていなければ」ということでは無くなっています。

このガイドラインは2017年に出されたものなので、15年以上も前にこの定義に似たことを教えてくれた人には頭が上がりませんね。

実は便秘にはさまざまな分類があり、かなり細分化されています。

原因により大きく器質性便秘と機能性便秘に分けられます。

1)器質性便秘の中に「狭窄性」と「非狭窄性」があります。非狭窄型は症状による分類でさらに「排便回数減少型」と「排便困難型」に分けられます。

2)機能性便秘には症状による分類があり「排便回数減少型」と「排便困難型」に分けられます。

と、まぁ、昔の「器質性」「機能性」「薬剤性」「症候性」の分類より見た目での判別が難しくなりました。

排便回数の減少については週3回未満の排便が、排便困難については直腸の便が十分排出できず残便感がある状態のこと目安としています。

分類についてはより詳しい人にお願いして、他の調べた内容を以下に述べていきます。

日常生活の改善で便秘は良くなるのか?!

たぶん、この記事を検索されているかたの多くは「分類」よりもこちらの方が知りたいのではないでしょうか。

私も職業上、よく便秘について相談されることもあるので、以下の内容を伝えていました。

●食物繊維をよく摂る

●食事量を十分摂る

●ヨーグルトなどを食べる

●水分をよく摂る

●運動する

●お腹のマッサージをする

と、まぁ、ありきたりな方法ですよね。

どんな本やサイトを調べても同じようなことが載っているし、実際に実践された方もいらっしゃると思います。

でも、これらを実践しても効果がない方もいると思います。

実際に調べてみると、ちょっと衝撃的な事実が判明しました。

食生活や生活習慣で便秘と関係があるということが示唆されているのは、

毎日の適度な運動、適切な食事、腹壁マッサージ

であるということ。

1日4時間以上の運動は食事療法よりも排便改善に有効であったということ。

腹壁マッサージは1日15分、週5回の実施で有効とする試験結果があること。

④大学生を対象に、1日1500ml以上の水分摂取を行っている男性の排便がよりスムーズであったこと。

食物繊維をいつもより多めに摂ることで排便改善効果が見られた人は慢性便秘の人のうちごく一部であったことが示唆されている。

と、いうことです。

①~⑤をまとめて言うと、確かに排便に運動、食事、お腹のマッサージは関わっていそうですが、慢性便秘に困っている人が「日常生活の改善だけで排便の改善が得られる可能性は低い」ということです。

慢性便秘に困っている人が1日4時間の運動ができるか、1日1500mlの飲水が毎日継続できるのか、といった現実的でないような改善方法もさることながら、食物繊維を摂っても改善する見込みは低い・・・と、いうことは「日常生活の改善だけで排便の改善が得られる可能性は低い」といっても言い過ぎではないと思います。

では、どうすればいいのか…ちょっと衝撃が大きすぎて、落ち込んできました。

便秘の改善には日常生活の改善に加えて便秘薬をうまく使う

便秘を訴える人は男性より女性に多く、年々増加傾向にあります。

また、高齢になるほど増加すること、80歳以上では男の人の方が多いといいます。

排便に関して症状を有した経験のある人は40%ほどいると考えられていますが、そのうちの5%しか病院を受診していないという記録があります。

多くの方は、水分摂取や食事などの日常生活の改善でなんとか乗り切ろうとしており、薬剤に関しても医師による処方ではなくドラッグストアなどで手に入れられる一般医薬品で対処しているようです。

しかし、先ほども述べたように「日常生活の変更だけでは改善の望みは薄い」のです。

そして、便秘の分類の項でも述べたように、便秘には原因によって細分化されています。

その分類がなぜあるのかというと、分類によって「治療や処方が異なるから」なんですね。

しかも、たかが便秘、されど便秘で、お薬もたくさん種類があるのです。

ですので、日常生活の変更で改善が見られない人は、市販薬で済ますのではなく病院へ行きましょう。

「便秘だけで病院に行っていいの?」と思われがちですが、悩みは人それぞれ。

きちんと悩みは解決しましょう。

便秘を改善するために工夫できることは?

日常生活の工夫については、慢性便秘の人にはあまり効果が期待できないかもしれないという話をさせてもらいましたが、日常生活の工夫でなんとかなりそうだから、他に具体策はないの?という方は、以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。

プロバイオティクスやビフィズス菌を含むヨーグルトを摂取してみる(腸内環境の改善につながる可能性がある)

●排便が出なくても毎日同じ時間に便座に座る

●疲労がたまっている場合は十分に休み、睡眠をきちんととる。ストレスを発散できるような工夫をする(ストレスをためない)

便意を感じたら我慢せずトイレに行く

などが挙げられます。

毎日決まった時間にトイレに行くことや、便意を感じたら我慢せずにトイレに行くことは脳に「便意をもよおしたら(トイレに来たら)排便するんだ」という刺激を送るためにも良いようです。

ちなみに、長期間にわたり便秘改善薬を服用し続けることで依存的になり、便意を感じなくなったり自力での排便が困難になることがあるので、思い切って体に合わないかもしれない便秘改善薬を止めてみる、という方法もありますね。

お薬を止めたあとは自分に合ったお薬を処方してもらうために、きちんと診察を受けましょう。

いかがでしたか。私は日常生活の改善だけでは排便状況は改善されにくいという結果に悲しみを覚えました…

そして本当に困った時は自分で判断せず、専門家に聞いてみる大切さも感じたのではないでしょうか。

みなさんの生活がより良いものになりますように!!